語彙爆発
今もすごく得意という訳ではないのだが、かつては人と話すことが本当に不得手だった。目的があれば話せる、だが雑談ができない。
文章なら気持ちを伝えられても、言葉というリアルタイムな道具はしばしば不正確に陥りやすい。
両親も寡黙だからだろうか、自分は成長とともに減ったものの吃音の家系でもあったので、長いこと上手く話せなかった。
ゲームや流行りの音楽にも触れてこなかったために同年代との共通の話題もなかった。それもきっと自分の内向性に拍車をかけた。
大学に入学して、匿名ラジオと出会った。単純に面白くて聞いていただけなのだが、学生寮の電波が劣悪だったこともあり、音声ばかり1日数時間どころか家にいる間ずっと聞くのが常だった。
ある日突然喋れるようになった。それなりに言葉が出るようになった。
おそらく自分には、相槌やリアクションの類の入力が今まで足りなかったんだと思う。
所詮外部情報のエミュレーターに過ぎないのだから、なんだかイカサマの論理構造みたいなものだし、相変わらず疲弊するとレスポンスが著しく低下するのだけど、ないよりはマシだと思ってありがたく使っている。
人生においてトライアンドエラーの足りてないタイプの自分のようなコミュ障にはラジオが有用だという結論で締めくくる。